昨年の発売から何かと話題の「お金2,0」という本、読まれましたか?
「お金2.0」は、元々家が貧しかったため、「お金」に複雑な感情を持って育ち、それゆえに「お金」について真正面から考え、既存のルールや枠組みを取っ払うシステムとその実現に向けて動いている現役の起業家、株式会社メタップス社長の佐藤航陽氏が書いた本です。
株式会社メタップスは、先月のビットコイン(コインチェック)の流出事件から始まった、市場の暴落にも関わっており、近未来を考える上でもとても興味深い内容でしたのでご紹介します。
「お金2,0」の著者、株式会社メタップス佐藤航陽氏について
もくじ
佐藤航陽氏は、1986年に福島県で誕生。
2007年、早稲田大学在学中に株式会社メタップスを立ち上げ、本格的にビジネスを始めました。
2015年、株式会社メタップスは東証マザーズに上場。一時株価は4740円まで上昇します。2018年1月のコインチェックの流出事件やら決算の遅れやらで、昨年の決算辺りから株価は乱高下し、今年に入り、一時1600円くらいまで暴落。現在(2018年2月16日)は2300円くらいです。
株式会社メタップスの主な事業は、膨大なデータを解析して行うマーケティングサービス、ネット決済システムサービス、時間を売買するタイムバンクで、今後は宇宙開発事業にも取り組んで行くようです。
尚、コインチェックは、メタップスの子会社メタップスペイントの取引所を利用していました。
既存の枠組みを破る「お金2,0」による新しい経済のルールとは?
メタップスでは、マーケティングサービスによる膨大なデータから、既存の経済のシステムについて分析。
経済を発展し、持続させている要素を導きだしています。
特に、経済と脳の関係から、「既存の経済システムを突き詰めれば、ゲームになる」と断言しています。
その根拠は、人間や動物の脳は欲望が満たされたときに「報酬系」または「報酬回路」と呼ばれる神経が活性化してドーパミンなどの快楽物質が分泌します。そのため、人間や動物は「報酬」の奴隷のようなものだから。
ゲームは、この「報酬回路」などの神経を人工的に刺激する優れた装置であり、既存の資本主義経済はこのような欲望を刺激して発展し持続しています。
そのため、この経済のシステムからはじき出された、価値はあるけどお金にならなかったものを含めた新しい経済のルールが必要で、現在の資本主義に替わるシステムを「価値主義」とした新たな経済の枠組みを作り出そうとして実際、動いています。
「資本主義」に替わる「価値主義」とは?
「価値主義」とは、これまでお金になりにくかった存在に経済的な価値を認めようとするもの。佐藤社長は3つの価値を提案しています。
1,人間の欲望を満たす実世界での実用性としての価値
2,倫理、精神的などの内面的な価値
3,全体の持続性を高めるような社会的な価値
です。1は、現在の法定通貨と同じ機能で「価値主義」では、2と3が、加わります。
この価値主義により、下記の経済システムの実現を目指しています。
1,お金や経済の民主化
2,資本にならない価値で回る経済の実現
これからは、企業や個人が「経済を作る」時代になると予測しています。
経済の民主化
既存のビジネスは、「資本主義」のルールに従って、国が認めた法定通貨「お金」を使ってプレイしています。しかし、それは中央集権による統制で不自由。貧富の差などね歪みもしょうじています。
現在はテクノロジーの進化のお陰で、個人でも通貨を発行できるようになり、その結果、個人でも「資本主義」の枠組みとは別のルールで経済を作ることができます。
実際、シェアリングエコノミーと呼ばれる経済が動き出しています。有名なところで言えば、タクシーの配送サービスを行う「UBER」や民泊サービスの「Airbnb」など。個人や小さい企業が所有するものを貸し出してお金を得るシステムで、中国で一気に広まり活発に取引されているようです。
仮想通貨、トークン
既存の資本主義経済とは別のルールで作られた経済を動かすために必要なのは、中央集権による国家が認めた法定通貨ではなく、誰でも自由に発行できる仮想通貨やトークンです。
仮想通貨は、ブロックチェーンと呼ばれる技術でデータを改ざんできたり書き換えたりできないので、法定通貨と同じくらい厳重なシステムで守ることができるようです。
トークンとは、仮想通貨のように誰でも発行できるもので、発行する人が自由に設計できます。例えば、通過型トークン、報酬型トークン、会員権型トークンなどです。
「お金」のためでなく、「価値」を上げるために働く
価値主義の時代は、「お金」のためではなく自分自身の「価値」を上げるために働くようになります。
たとえ、高い年収があっても日々の業務が自分の価値の上昇に繋がっていなけば、別の道を選択していくようになると言います。
佐藤社長は「未来の社会は、自分自身と向き合い、自分の情熱を見つけ、自分の価値を大事に育てていくことが重要になる」と予測しています。
佐藤社長がたどり着いた「お金」とは?
貧しかった幼少の頃から「お金」に対して複雑な感情を持っていた佐藤社長は、言います。
本当にお金や経済が作り出す課題を解決したいと考えるのであれば、お金に自らがくっつけている「感情」を切り離して考えなければなりません。お金や経済が持つ特徴を理解した上で、それらを自分の目的のために「ツール」として使いこなす訓練が必要なのです。
確かに。
お金が増えようが減ろうが、動じないでいたいですね。
将来的には、「お金がない」とか「貧乏」だとしても、普通に幸せに生きられる社会にしたいです。
ただ、一つ解せなかったのは、これらのことが実現できるのは、ベーシックインカムと言う「お金の保障」が前提としてあります。
ベーシックインカムは、中央集権を担う国が行いますから、財源が必要になり、その財源はどうするのだろうと思いました。
その点から考えると、神奈川県相模原市にある地区で試みられている、地域通貨「萬」を使った経済活動の方が、現実的です。その地区の暮らしぶりは、戦前の日本のようで、古いけれども新しく革新的です。
それにしても、この本がニュースピッカーにも取り上げられ、話題になったのが2018年1月。そのすぐ後、コインチェックの問題が起きました。
彼らの活動に対して危険を感じた人たちが何かしらの操作をしたかもしれないと思うのは考えすぎですね、きっと。
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